「あれ!? ちびちびがいない!」 お母さんの驚いた声が聞こえて、一瞬、戻った方がいいかとも思ったけど、多分死角になってベランダからは見つけられないと思い直した。 まあ、正直言うと、一刻も早く日陰に行きたかったんだけどね。 「みーちゃん、ちびちびいた?」 「お部屋にはいないよ、お母さん」 「う~ん……。まさか、又、カラスに……」 「えっ? ちびちび、食べられちゃったのっ?」 お母さん。当たらずとも遠からず。 あ、みーちゃん、泣かないでね。『まだ』私、生きてるから。