「そう! じゃぁ、そっちは大丈夫ね!」 問題は、こっちだ。 この雨樋、塩ビで出来ていて、亀の私の足じゃつるつる滑って登れない。おまけに、太陽の熱を吸収してもの凄く熱くなっていて、じっとしていたら火傷をしそうだ。 ごくん――。 ひりひりに乾き始めた喉を潤そうと、つばを飲み込むけど、何の足しにもならない。 「でかでかちゃん! こっちは何とかするから、あなたは洗面器から出ちゃだめだよっ!」 「うん。わかったー」