「僕の名前、『一郎君』って言うんだ」 「宜しくね。一郎君」 これから同じ屋根の下に住むんだから、一応ご挨拶はしておかないとね。 「宜しく。それで、左から順番に、次郎君。三郎君。四朗君。五郎君」 んあっ? 思わず、ぽかんと大口を開いてしまった私を実に楽しそうに見やり、一郎君が続ける。