「ねーねー、亀さん達、名前付けて貰ったの?」 翌日の昼下がりのこと。 隣の水槽の住人、オカヤドカリ一座は五匹いて、その中の一番大きい、目の覚めるような青とオレンジのストライプ模様の貝殻の人が、興味津々で私に聞いて来た。 「まだだけど?」 「そうなんだー」 と、何故か妙に含みのあるニヤニヤ笑いをする。 飛び出しているひょうきんな目が、くるくると回って、見ているこっちが目が回りそうになる。