「ねえ、でかでかちゃん、小さいみーちゃん、とっても可愛いねぇ」 私は傍らに居るはずのでかでかちゃんに、話し掛けた。 あれ? でかでかちゃん? 答えが無い。 私はきょろきょろと、今はもう狭く感じる90センチ水槽の中を見回した。 でもそこには、でかでかちゃんの、のんびりとした姿が見えない。 「でかでかちゃん、どこに行ったの?」 胸が痛い。 ドキンドキンと、あの時のように胸が痛い。 そう一郎君と別れたあの時のように……。