俺はそういって二人に背を向けた
苦しかったけど・・・きっとそれはこの人たちも同じだったから
「待って、梓、葎」
背を向けた俺たちに声をかけたのは小さい声をした叔母さんの声だった
思わず俺は叔母さんの顔を見た
確かにいつもとは違うその表情に驚いた
「今まで、今までごめんね。二人に愛をあげられなくてごめんね、あなたたちは妹とは違うのに、傷つけて、存在を無視して・・・本当にごめんなさい」
あぁ、最後の最後にこの人はあの優しい義母に戻ってくれた
母さんと同じ温かさを持ったあの人だ
「それだけで十分だよ、ね、葎」
「うん、あの優しい叔母さんだもん」
叔母さんの隣で黙っていた公久さんも顔をあげ口を開いた


