“それはまずはアシカちゃんたちのボール遊びです。
 愛らしいその姿に癒されちゃってください!”



スタッフさんが一斉にボールを投げると水の中に隠れていたアシカが顔を覗かせボールを弾き返す

弾き返すその場所は正確でどこに行ったボールでもきれいに返すからすごいと思う

人間でも難しい芸当だと思う


それからフラフープくぐりなどの芸があった



“それはアシカショー最後の目玉!餌やりを皆様の中から三名さまにやっていただきましょう!さぁー、誰にやってもらおうかなぁ~。
やってみたい人は前に来てくださーい”


餌やりかぁ、楽しそうだなぁ

そう思っていると葎が服を引っ張ってきた



「梓兄、俺やってみたい」

「楽しそうだよな」


そう言って顔を見合わせる


「二人ともいってきなよ」

「ぇっ、いいの!?」

「勿論、選ばれるかはわかんないけどいってきな」

「やった、あっ臣兄もいこっ!」

「えっ、ちょ葎!?」


俺と葎は臣さんの手を引いて前に出た

前には俺たちと同じくらいか少し年下くらいの子が5人いた

臣さん年齢の人は誰もいないせいか臣さんは恥ずかしそうだ


“それじゃぁこの八人の中からアシカちゃんに選んでもらおう!
 アシカちゃん、ゴー!”



お姉さんの掛け声で三匹のアシカが一斉にこちらに迫ってくる

一通りアシカたちは俺たちを見る



「なんかドキドキするねっ」

「うん」


アシカたちは決めたようでそれぞれある人たちの前にやってきた



“決まりましたぁ!餌やりをやってもらうのは仲良し三兄弟組の方々です!”



「嘘だろ?」

「ぇ、俺たち?」

「わぁ、餌やりやれんの!?」



“それじゃぁ三人はそこの階段からこちらに来てください”


選ばれない覚悟で行ったのに選ばれてしまった

それも三人とも

なんかうれしい

それに三兄弟って呼ばれるのも少しうれしかった