今日は気晴らしに葎が水族館に行きたいといったからこの辺でいちばん大きいとこに臣さんが連れてきてくれた
「さっ、行こ!」
「俺楽しみだなぁ、水族館とか小学校一回行っただけだし」
「あっ、それ俺もだ」
勿論あの人たちが俺たちを遊びになんて連れてってくれるわけもない
臣さんがいなければ遠足にすら行けなかった
臣さんには感謝してもしきれない
何時か必ず恩返しがしたい
俺たちはいつもそう思ってる
「大人一人、中学生二人お願いします」
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
臣さんが切符を買って俺たちは中に入る
横にいる葎を見れば顔がいつも以上に明るい
それほどに水族館が楽しみらしい


