竹本先生…?

それから、竹本先生が実習生として来て一週間がたった。
なんだか、最近、錦の様子もおかしい。
竹本先生をじぃっーと見て。見るからに怪しい……まさか!BでLなこと…いやいやいや!!!錦に限ってそんなこと無いであろう!!…私はそう信じよう!

なんて、私が心の中で葛藤していると教科書で錦から頭を叩かれた。
「ぃった…!」

「お前、もぅ学校終わりなんだけど…何してんの?帰るぞ。」
あ、あれ?いつの間に?さっきHRするってあれ?…しまった…完全に上の空だった。…
「出雲。俺、ちょっと用事あるから先行ってて」
そう言って錦とわかれた。


家へ帰る途中、錦のお母さんを見かけた。錦とは幼馴染みだから良く家族合同でピクニックやバーベキューをした。
だから、すごい交流がある。

錦のお母さんはある建物に入って行く姿を見た。

あれ?保育園か!錦の弟くんのお迎えかな?

なんだか……懐かし…
あれ?っ!?

『「麻耶ちゃん!お迎えが来たよ~」
また!?…小さい私と錦のお母さん…?何年ぶりだろうこの映像を見たのは……私は昔もよく見ていた。錦のお母さんと私が映っている。
「麻耶!おいで~帰ろっか♪」
保育園のお迎えの時の映像。仲良く手を繋いで帰る、、二人。でも、…そんなことは現実ではありえない。』

「……お母さん…?」
映像の中ではみんなが私のことを麻耶と呼ぶ……。

わからない。覚えのない記憶。
頭が…痛いよ…。

『「麻耶は、ママの宝物だよ」』

…涙が止まらなかった。どうして…。
映像のなかでは、錦の両親と一緒にいるの?……