目を開けるとそこは自分の部屋だった…。途中からの…記憶がない。

「やっと、起きたか。」
傍には眠そうな錦が居た。…
…目が覚めるまでずっと居てくれたのかな?…ありがとう。

錦の優しさが…嬉しかった。

「傍に…居てくれたの?」
私がそう聞くと錦は無愛想に「あぁ~」
と答えた。

「錦が運んでくれたんだよね?」

「あぁ、お前いきなり意識とんだから…ビビったわ。それに…」

そう言った錦は私の顔を見てはくれなかった。

「それに?…それになんなの?」
私は錦の言葉が気になって布団の上に置いてあった錦の手を握った。

「なんでもねーよ!ほらっ!もっと寝てろ。」
錦は私の手を軽く払って起き上がっていた私の体を布団に押し戻した。

なに?…なんなの?
一瞬だが…錦の表情が曇っていて…違和感を感じた。