情熱効果あり

「おじゃましまーす」


「麻衣ちゃん、久しぶりだね」


「おにいさん、ご無沙汰してます。あ、こちら…」


「はじめまして、夏川哲志と言います」


私が紹介するより先に名乗った。


「ああ、君が噂のさとしくんだね。いつもうちの子どもたちがお世話になっています」


「いえ…特に何もしてないですし」


哲志先輩は薬の調合を見せるだけではなくて、薬局の待合室に置いてある絵本を読んでとせがまれて、読んであげることもある。


楽しそうにしてはいないけど、嫌な顔もしていない。

それに、絵本の朗読が意外に上手で蓮と蘭はいつも真剣に聞いていた。


そういうところが2人に好かれる要因なのかもしれない。


「さとしくん、遊ぼうよ。こっちに来て」


蓮が哲志先輩を子供部屋に連れて行こうと服の裾を引っ張る。