情熱効果あり

「麻衣…病んでないか?」


哲志先輩が何だか心配そうな顔をしている。そんな顔はあまり見たことがない。


「病んでいるのかな?そうだ、愛欠乏症かもしれない」


「そんな病名ないだろ?」


そんなの分かってます…。


「麻衣ちゃん、まだいい人は見つからないのかい?」


「見つかりませんよ。マスターがいい人を紹介してくれないから」


マスターは私をあっさりと見捨てたくせに心配そうな顔を見せる。

そんなに今の私は病んでいるように見えるのか?

せっかく美味しいビーフシチューを食べたというのに、あまり力が出ない。

完全なる愛欠乏症だ。


「愛が足りないから元気が出ないんです…」


気付けば私たち2人しかいなくなっていたので、マスターと話がしやすいカウンター席に移動して、コーヒーを飲んだ。