情熱効果あり

哲志先輩に拒否反応を起こしている。


「ありがとうございました」


「ちゃんと戸締まりしてね。風呂入ったら、すぐ寝ろよ。明日、ちゃんと起きろよ」


ちゃんと…ちゃんと…哲志先輩はまるで私の保護者のようだ。ちゃんとした大人を子供扱いするなんて、馬鹿にされている気分だ。

私の心はまだひねくれている。


「分かってますよ。おやすみなさい」


「おやすみ」


車の中では何も話さなかった。

降りる時にちゃんとしろと何度も言われただけ。


退屈な車内だった。哲志先輩とドライブなんてしたら、退屈で寝てしまうかもしれない。

哲志先輩とドライブなんて有り得ないし、想像も出来ないけど。


車を一応見えなくなるまで見送った。