情熱効果あり

「ほら、濡れるからちゃんと入れよ」


追い出された私たちは、日菜子ちゃんが貸してくれたビニール傘に一緒に入る。


哲志先輩と相合い傘なんて、したくない…マスターのせいでひねくれ者になった私は哲志先輩から離れた。

肩は濡れているけど、別に構わない。


「いいから、こっちに来いよ」


グイッ…


肩を抱かれて、無理やり傘に入れられた。


「ほら…こんなに濡れている」


肩を抱いた哲志先輩の顔がすぐそこにあった。嫌だ…こんなに近い距離は…。


離れてよ…。


「ほら、ちゃんとシートベルトして…」


‘ひだまり’から薬局までは近い。だから、密着度も少なく済んで、安心した。

でも、今度は狭い車の中で2人きり。


後部席に座れば良かった。私の体はとことん哲志先輩を拒む。

拒むつもりはないのだけど、無意識に拒否している感じだ。