情熱効果あり

「哲志くんは好きな子がいるんだっけ?」


「えー。夏川さんの好きな人って、どんな人ですか?」


ここでも哲志先輩の好きな人が話題になる。片付けの終えた日菜子ちゃんも会話に加わった。


「俺のことは…どうでもいいです。好きな人なんて、誰にでもいるでしょ?」


「あたし、いない…」


好きな人がいるのは当然のように言われた。いない私はどうしたらいいのだ…。


「そうだよ。誰でもいるなんて、偏見をもってはいけないよ。麻衣ちゃんみたいな可哀想な人だって、いるんだから…」


「え?マスター。あたしは可哀想そうですか?だったら、本気で出会いをくださいよー!」


「アハハ!まあまあ、焦らないのが一番だよ。さあ、そろそろ閉めるから、帰りなさい」


都合が悪くなったのか、出会いを提供してくれる気のないマスターは追い出そうとする。

やっぱり酷い…。