情熱効果あり

「いやー、実はそうなんだよ!かなりお似合いの2人だろ?」


「うん、うん」


マスターは自分が関わったことを自慢していた。

気付けば、私たちの他に客はいなくなっていて、日菜子ちゃんが後片付けを始めていた。


「閉店時間過ぎたし、帰るか…」


哲志先輩が財布を取り出して、腰をあげる。


「まだいいよ。時間があるならのんびりして行きな」


「じゃあ、お言葉に甘えて、あたしはもうちょっといます。哲志先輩、お疲れ様でした」


お金を出そうとしていた哲志先輩に手を振る。


「は?麻衣が帰らないなら、俺もまだいる…」


「はい?何で…」


「もう暗いから」


暗いから?仕事帰りはいつも暗い。今さら、何を言うんだろう。


「自転車を飛ばして帰るから大丈夫ですよ」


「雨降ってるから送るよ」


「え、雨?うわっ、ほんとだ!いつの間に…」