情熱効果あり

「だめだよ。こんなの恥ずかしいってばー」


起きあがろうとするけど、抱き締める哲志先輩の力が強くて、動けない。


「いいよ。見られても。麻衣、あったかい…」


困ったことに全然離れるつもりがないようだ。


「ママー、この人たち、おかしな格好で寝てるね」


「シー。仲良しなんだから、いいのよ。静かにしてあげようね」


「うん」


通りすがりの親子の気遣いが恥ずかしい。わざわざ静かになんて、しなくてもいいのに。恥ずかしくて、顔があげられなくなって、哲志先輩の胸に顔を埋める。


「そんなに密着されると困るな」


「んー?」


自分から引っ張ってきたのに、なにを言い出すんだ?

だったら、離れよう。でも…離れない。


「哲志…」


「ん?なに?」


「離してくれない?」


「何で?」


「だって、困るんでしょ?」