情熱効果あり

約束の2時ピッタリにプリウスが家の前に止まった。


「おじゃまします」


「うん」


せっかく着替えたのに「うん」としか言われない。この服装は失敗だったかな。


「哲志先輩…」


「ん?」


「着替えてきましょうか?」


「何で?それでいいよ。って、何でそんな悲しそうな顔をしているの?」


悲しそうな顔…だって、悲しくなったんだもの。


「だって…何も言ってくれないから、この服じゃ、ダメなのかなと思って」


淡い黄色の膝丈ワンピースに、紺色のニットジャケットを着た。


「ダメじゃないよ。よく似合っているし。何も言わなかったのは、かわいすぎて言葉もなくしてしまったというか…」


言葉をなくすなんて、昨日の哲志先輩からは考えられないけど、いつもの哲志先輩なら有り得る。

男のくせに二面性があるなんて、どれだけ私を動揺させるのだろうか。