情熱効果あり

廊下の電気をつけないで、足元を照らす小さい電気だけを頼りに歩く。

奥の部屋のドアが半分開いていて、灯りが見えた。深呼吸をして、気持ちを落ち着かせる。


哲志先輩、起きているのかな?

足を踏み入れる前にそっと覗く。


バチッ


布団の上に座っている哲志先輩と目が合う。

何でこっちを向いて、座っているの?


目が合ったことにびっくりした私は顔を引っ込めた。


「麻衣…早く入って、ドアを閉めなよ」


焦る私に対して、哲志先輩は冷静だ。冷静な口調に何となく苛ついた。


「まだ起きているんですか?早く寝てくださいよ」


何で不機嫌に聞いてしまうのか自分でも分からない。


「麻衣を待っていたんだけど」


「待っていなくていいです」


ゆっくりと音を立てないようにドアを閉めた。本当は思いっきり閉めたい気分だけど、お姉ちゃんの家でそんなことは出来ない。