情熱効果あり

「えー、お姉ちゃんかお母さんに教えてもらうから大丈夫ですよー」


哲志先輩の申し出は断りたい。


「どうして俺を避ける?」


「いえ、避けてなんていないですよ!」


「アハハ!哲志くんの好意を素直にありがとうございますって、言っておけばいいんだよ。それに、麻衣ちゃんは避けているんじゃなくて、照れてるんだよねー?」


ご機嫌なお兄さんがもっともらしい分析をする。だけど、その分析は間違っている。


「照れてなんて、いないです!」


変な誤解をされても困るから、否定しなくてはいけない。


「そうか、照れているのか…」


「だから、違うってば!」


哲志先輩も酔っているようだ。酔っている人は自分の都合の良いように解釈するから、困りものである。

それに何だか目が虚ろになっているようで、危険な感じがする。