情熱効果あり

「本当に?わあ!頑張ってくださいね。うまくいくといいですね!」


自分の全てだと言える相手がいるなんて、羨ましい。片想いでもいいから、私もそこまで想える人が欲しい。


想うことが出来るようになるだけでも、愛欠乏症に効果がある気がする。


「いいなー」


「何が?」


「熱い想いのあるのが羨ましいです」


「別に熱いつもりはない。誰もが持つ普通の気持ちだろ…」
 

だったら、私は普通ではない?何だか気分が落ち込むことを言われた。


ポンポン…

ん?


頭に手を置かれて、顔を上げる。


「何でしょう?」


「なんか暗くない?嫌なことでもあった?大丈夫か?」


軽く叩く手も心配する声も優しい。


「熱い想いのある人には分からないと思いますよ」


哲志先輩の優しさを拒否しているつもりはないけれど、私の心はひねくれてしまう。