僕の喉はからからに渇いてしまって、なんだか上手く言葉が形にならなかった。 「……どうして、どうして1年なんだろう」 言葉を虹色に操ることができればいいのに、いまの人類には残念ながら、そんな機能は備わっていないことを、嫌でも思い知る。 「カミサマが俺に1年しかくれなかったから?」 「…………」 だから無感情に喋るこの少年は、予想通り、人間じゃないかもしれなかった。 こんな気持ちになったのは、初めてだった。 「1年あれば何だってできるさ」 だって僕の生きる1年は、嫌になるほど長いから。