【山口十三】

どうしつ俺はこんなにも馬鹿なのだろう…。

親父に殴られながらそう思っていた。

「十三!!酔っ払って帰ってくるなんて10年早いんじゃぁッ!!」

親父が凄い見幕で怒鳴っている。

「いやっ、その…魔がさしたと申しますか……。」

土下座をしながらそう言うが、親父の耳には届いていなかった。

「餓鬼が酒なんか飲みやがって!何考えとるんじゃあッ!!」

「すいませんッ!もうお酒なんか飲みませんから……多分。」

最後の言葉が余計だった。

言ってすぐに後悔したが、後悔した時にはもう遅かった。

「多分だぁ?…ナメとんのかオノレはッ!!」

その言葉と同時に強烈な拳が飛んできた。

そして親父は俺の目の前に腰をおろした。

「…で、なんで酒を飲んだのかきっちり説明してもらおうか。」

と眉間にシワを寄せながら親父が聞いてきた。