「わかった?」


コウがニコリと笑う。


その笑顔は、いつも女の子に向けているような、完璧な「王子様スマイル」だった。


「…わかった」


私が頷くと、コウは部屋に戻っていった。


でも、コウには悪いけど、私の心は全然納得してない。


ほんとに、咲月くんとコウの間には何があったの…?


悶々と考えながら、私は洗いものを終えた。