病んでるとグレーてる1

目の前で起きた現実を確かめるかのように身体が動いた。

「オイ!!生きてるか!?」ぐったりとする女に声を掛ければ「死ぬ、…かもね」とまんざらでもない言葉を吐き捨てる女に“死”が脳裏を過ぎった。


兎に角下ろさなければ。

足元から何かがポタポタと雫のように流れ落ちるソレは……血だ。

流れ出るほどの出血に緊張が走った。

「オイ!!手ぇ貸せ!!!」怒号を上げるように叫べば、タクヤは真っ先に斗真を呼びに走る。


「なんなんだよ!?」

「早く降ろせ!」

呼ばれて来た斗真は状況が分からず珍しく焦った声色で問うがそれ以上に俺が焦っていたせいで驚いた顔でまじまじと見つめてきた。

「血ィ止めろ!!しっかり押さえとけ!!」

俺が支えてタクヤと他の連中がビルの中から繋がれている鎖を外し、斗真に止血をさせる。

「救急車呼びますか!?」

「救急車はマズい!ヤブんとこ連れて行くしかねぇだろ!」

「車回せ!!早くしろっ!」

下ろした女を抱きかかえて斗真に車乗り込む。

「斗真!!飛ばせ!」

「うるせー!分かってんだよ!」

互いに焦り、それに困惑するタクヤ達に「状況が状況だ、今日の走りはオマエ等に任せる」と言い残しヤブの元へ急いだ。