ガラガラと建て付けの悪いドアを開ければ見知った顔のババアが居た。
相変わらずババアだ。
「あら、永輝じゃないの。あ、斗真も居たのね」
「オイ、ついでみてぇな言い方すんなよ」
「ホントうるさいわね。可愛くないガキだわ」
「死に損ないのババアがうるせーんだよ!」
オマエもうるさい。
毎度のやりとりに呆れる。
いい加減飽きないのかオマエ等は。
ベッドの傍にそっと近づくとあれ以来変わらず眠り続ける女が規則正しく呼吸をしていて、
「死んでるみてぇだな」
「あぁ」
真っ白い肌に煌びやかな金髪、まるでフランス人形だ。
こんな女が何故あんな場所に居たのか不思議だった。
「まだ身元確認出来ねーのかよ」
「…だって携帯はロック掛かっているし身分証すらないんだもの、もっとも“警察”に調べて貰えるなら話は別よ?」
「いや、警察はマズい」
「その理由はあのビルでしょう?そうよね、マズいわね…」
「こっちでも調べてるけどまだ時間が掛かりそうだ」
「そう、きっと目覚めない限り身元を確認出来ないわね」
ババアはカルテにチェックを入れるとチラッと目線を上げ
「斗真、イタズラするんじゃないわよ」
意味深な忠告を残して部屋から出て行った。
