ズプリ、鈍い音を立てて突き刺さる。肉を引き裂いて深くまで進む刃先。
「ギャァァァァ!!!」
痛い、痛い、痛い、痛い―――
味わったことのない痛みに狂ったようにあたしは叫んだ。泣き叫ぶしか出来なかった。
熱いよ、苦しいよ
刺されたお腹から血がとめどなく溢れ出る。
なんでお腹なの……一思いに心臓を刺せばあたしは楽に死ねたのに。
ドクドクと心臓が動く振動が全身に伝わる。引き抜いたナイフに血がべったりと付いていて滴れる血がペチャリと落ちてはじけた。
「……なあ、このまま苦しんで死ぬのか明日の朝まで生き延びて俺と帰るか賭けねぇ?」
ナイフから滴れる赤色にうっとりと指先をなぞらせる。
「うっ………ばっ、か…じゃ…ない、の……っ」
「俺はお前を愛してるしお前も俺を愛してるだろ?」
こんなところでそんな事言ってる玲二はあたしにとって悪魔だ。こんな男を愛してる?そんなのーー
「あ……して………ない!!……いっヤァァァァ!!!!!」
ズプリ、突き立てられたナイフ。
「女の身体は男と違って簡単に刺さる。次は反対側だ」
愛してない、ならと右股にナイフを刺した玲二は………狂ってる。
玲二は狂ってるんだ。
見つめる玲二に視線を向けた。
その目が虚ろに揺らいでいてあたしを見ても本当に見ているのか分からない。
久しぶりに合わせた視線は焦点が定まらない。どこを見ているのか分からない視線にあたしは息を飲んだ。
