人間って生き物は不思議なもので、こんな窮地だっていうのに飲み食いしなくても尿意は感じるものらしい……
「はぁ……最悪」
使ってしまったソレをビニール袋に捨てロッカーにぶち込んだ。まだ出来るだけありがたいけど女子高生が簡易トイレを使うとはね。
恥ずかしいのか悔しいのか、よく分からない気持ちになった。
日も暮れた夜7時。
また玲二は来たが、ドアを開けてエサを投げ込みすぐさまドアを閉めて車で帰った。
何を急いでるのかは言わなくても分かる。
どうせ女だろうから。
綺麗とは言えない床に身体を寝かせて窓越しに見える月を見上げた。
アパートを引き払って迎えに来たら絶対に風呂入る。トイレはトイレでする。待つ間は暇だからテレビだけじゃなくてDVDも見せて貰おう。とか、くだらない監禁生活の今後を考えてた。
それでも前向きに考えてたんだけど、やっぱり“死ぬ”事もチラチラと脳内を過ぎる。
刺されるのか
絞められるのか
玲二がやりそうな殺し方を想像するだけで笑えた。普通なら恐怖だろうけど、あたしは違った。玲二はきっと涙を浮かべて殺す。
だって甲斐甲斐しく世話したペットを亡くすんだから悲しいでしょ?寂しいでしょ?
少しくらいは胸も痛むよね?
……っていうあたしの願望かもしれない。
