車が止まってから数分後にガチャガチャと鍵を開ける音がした。
その音と共にギィーっと不気味にドアが開く。
「なんだ、逃げなかったのか」
あたしが椅子に座ってるのを確認すると皮肉めいた事を言う。その口元はどこか楽しそうだ。
逃げれないって分かってるくせによく言う。
「あのアパートを引き払ったらまた迎えにきてやる」
手に持つビニール袋を置いてもう一つの紙袋から鎖を出した。
「首輪はもう付けない」
「………そう」
「また取られないようにコレにする」
そう言ってまた紙袋から取り出したのは手錠と足枷。よく囚人が付けるような重りがついてるやつだ。
一体どこで手に入れたのだろうか?
通販とかで売ってるのか?
そんなSMチックな趣味はないんだけど。
右足と左手にそれを付け、南京錠で止めると鎖に繋いで剥き出しになっている鉄骨に繋いだ。
さすがに今回は取れないだろう。雁字搦めに巻かれた鎖は南京錠だらけで気持ち悪い。
いっそのこと願い事でも書いておけば?って胸の内で吐き捨てた。
