病んでるとグレーてる1


車が止まってから数分後にガチャガチャと鍵を開ける音がした。

その音と共にギィーっと不気味にドアが開く。


「なんだ、逃げなかったのか」

あたしが椅子に座ってるのを確認すると皮肉めいた事を言う。その口元はどこか楽しそうだ。

逃げれないって分かってるくせによく言う。


「あのアパートを引き払ったらまた迎えにきてやる」

手に持つビニール袋を置いてもう一つの紙袋から鎖を出した。

「首輪はもう付けない」

「………そう」

「また取られないようにコレにする」

そう言ってまた紙袋から取り出したのは手錠と足枷。よく囚人が付けるような重りがついてるやつだ。

一体どこで手に入れたのだろうか?
通販とかで売ってるのか?

そんなSMチックな趣味はないんだけど。

右足と左手にそれを付け、南京錠で止めると鎖に繋いで剥き出しになっている鉄骨に繋いだ。

さすがに今回は取れないだろう。雁字搦めに巻かれた鎖は南京錠だらけで気持ち悪い。

いっそのこと願い事でも書いておけば?って胸の内で吐き捨てた。