指先に力が籠もり、喉を潰され呼吸が出来なくなった。意識が飛びそうになるのが分かった。このまま眠るように意識を手離せたら楽なのに顔面が熱くなる。
ヒュッと最後の息を吐き出し、頭の中がふわふわとする感覚に飲まれてあたしは意識が途絶えた。
真っ暗でも真っ白でもない、何もない無の空間にあたしは漂流する。
大の字で浮かぶあたしの身体が唐突に、大きく揺れた。
「……ん」
目覚めれば見慣れない場所…………じゃない
………車だろうか?
「起きたのか?」
運転席から玲二が振り向き笑う。
あたしは後部座席で横になってるらしく、左腕がだらりとシートから落ちてた。
「もうアパートには戻れない」
玲二は静かに車を走らせる。
あたしは痺れた左腕を擦りながら身体を起こした。
タイミングを見計らって逃げようとしたらチャイルドロックが掛かっているらしく無理だと分かった。
窓から見える景色は暗くて何も見えない
どこに連れて行かれるのか分からないから不安で堪らない。
正直、殴られるよりも怖かった。
