代わりに、愁(ウレ)いを帯びた瞳をこちらに向けて、雨宮さんが一つ質問をしてきた 「…キミ、記憶についてその看護師から聞いたことある?」 「記憶?」 「うん…… 部分健忘とか…?」 「部分健忘? 何ですか?それ」 「部分的に記憶がなくなる障害なんだけど………」 「…そんなことがあるんですね… …それがどうかされたんですか?」