「なぁ、いつになったら振り向いてくれんの?」

「そん、なの…しらな…っ」

「僕、初めて会ったときから未来さんのこと見てきたんだけど」

先輩の目から視線をそらせない。

苦しくて、熱くて、なのに…。

もっと、もっと……。

「せ、んぱ…い……」

近くに彼を感じたいと願ってしまうんだ。

先輩はフッと微笑むと、壁についていた手をスッと下げた。

と思ったら、今度は肘をついて、私との距離をもっと縮める。

「ちょっ、先輩…っ!?」

近い近い近い!!

思いのほか整ったその顔に、思わず俯いてしまう。

「…なぁ、今、俺にドキドキしてんの?」

「……っ」

「なぁ……」

いつもと違う口調。

いつもと違う表情。

そしていつも違う…私。