「えーと、うざい?」

思ったままを口にすると、先輩は目を見開き、それからため息をこぼした。

え、何?

そう思っていたら、

「そうですよね。未来さんはそういう人ですもんね」

…なんだそれ。

私をなんだと思ってるの、この人。

そう思い、口を開きかけた。

そのときだった。

「──でも…」

──ゾクッ!

脳が、痺れる。

甘くて、危険な悪魔の囁き。

耳元で囁かれるそれに、身体中がドクドクと脈打つ。

耳に、嫌という程大きく、心臓の音が響いていく。

「…俺は、こんなにも溺れてしまったんだ。 どうしてくれる?」

顔が熱くて、先輩の眼差しが切なくて。

先輩になんて興味ないはずなのに。

「し、りません…っ」

あぁ…。

どうしてこんなにもドキドキするんだろう。