「これでもまだ、信じられない?」

私にあわせてしゃがみこんだ先輩に、全力で首を横に振る。

……だからもうやめてほしい。ホント。

そんな私の願いは

「じゃあこれからもっと教えなきゃな♪」

この、目の前で笑みを浮かべる悪魔に、ぺしゃんこに潰されてしまうんだけど。

「もう十分です…!」

「いいじゃん。
俺に振り向いてほしいし。
てかさ、俺のこと好きだろ?」

「なっ…!」

後ろの壁は冷たいのに、身体中が熱かった。

意外と俺様な彼に振り回されて顔を赤くさせる私は。

もしかしたら先輩の言葉通りなのかも知れない。




隠れ俺様は壁ドンで愛を囁く

──end