俺以外を見るんじゃない

まったく・・・
そして、美琴が入ったあと数秒待って俺も中に入った
だが入ってすぐ今のやりとりは無意味だと分かった

なぜなら・・・

「ねえねえ、優里君ー・・・」

「あっ優里君あのさ・・・」

このバカがなんども話しかけてくるからだ
しかも大きな声で・・・
そのたびに他の人の視線が俺に集まる
冗談じゃねえ!
あいつは妙な噂が立つって分からねえのか!?

「優里君はどれにす・・・」

「うっるせー!!
お前なあ!そんなに呼ぶんじゃねえ!!
目立つだろうが!!」

「え!?・・・話しかけちゃ、ダメなの?」

耐え切れず俺が怒鳴ると
美琴は涙目で可愛く子首をかしげてみせる
こいつはなぜかモテるので男子の視線が痛い
もちろん俺を軽蔑する視線が女子からも注がれる

「うわっかわいそう・・・」

「ひっでー、そりゃねえだろ・・・」

「まじないわーアイツ・・・」