「それでしたら、名前でお呼びします」

「そうして頂けると嬉しいです。それと、質問はこれで終わりです。それでは暫くお待ちください。何か美味しい料理をお持ちします。多分、それほど時間は掛からないと思います」

 しかしエリザが部屋を後にした後も、ユーリッドは寝台に横になることはできなかった。流石に四度目の訪問というのは考え難いが“もしも”ということも考えられるので、休むことはできないでいた。

「面白い子だ」

 部屋の片隅に視線を向けると、そう言葉を発する。刹那、周囲に漂う空気が変化するが、それは一時的な出来事。そのことにユーリッドは微笑を浮かべると、エリザが訪れるのを待った。