目を閉じ濡れている子犬を必死に拭き、ひと段落すると北沢くんを見つめる。 「北沢君...この子、どうすればいいの?」 「毛布があれば、包ませて親の見える場所に置け、それから数十分すればもう一匹出てくるぞ」 「え一気に出ないの?」 「出るわけないだろ、特にチワワは、難産が多いから自然分娩で出てくるのは珍しいんだ」 そうだった...