「ここ、良かったらどうぞ!」 私の頭上で明るい声が聞こえた。 「あら、でも申し訳ないわぁ…」 「いやいや!俺ちょうど立ちたかったんすよ! だから全然大丈夫です!」 老夫婦にニコニコと 満面の笑みを向けた悠斗くんが 席をはずして老夫婦に席を譲っていた。 悠斗くん… 私もそんな悠斗くんを見て思わずバッと立ち上がった。