「な、何?純?」
「僕の研究も間に合わないまま、祥吾の体は衰弱しきってもう機械でつなげる範囲を越えてしまったんだ。」
「どうして?ねえ!純!医者でしょ!祥ちゃん救うために医者になったんでしょ!純!」
「祥吾の体が悲鳴をあげてるんだ。祥吾がもう休みたいと言っている。僕もどうにかして生き延ばそうと試みたがこれ以上の薬の投与も機械での命繋ぎも体がいらないと言っている。」
「嘘。しゃべるわけないもん!」
僕は思い切りさりちゃんを抱き締めた。
医学を学んで分かったことはたくさんある。
祥吾はもう10年も植物人間状態で過ごしてきて、
頑張った。
少しでもさりちゃんのそばにいたくて、
あいつは頑張ったんだ。
でも
もうこれ以上頑張ることさえも出来ない体になってきている。
「辛かったら僕にあたっていいから。」
「もし純が医者じゃなかったらもっと疑って、怒って喚いてたかもしれない。純の言葉だから拒否することなく自然に耳に入ってくる。」
涙は流していたものの、
前のさりちゃんのように発狂したりはしなかった。
これも成長と
親に近づく第一歩だ。


