「祥ちゃん、あたし子ども出来たよ。結婚式の写真ここに飾っておくね!」
嬉しそうにお腹を撫でながら立ち上がり、写真をベットの横に置いていた。
「6時から救急の医師と変わるから、それまで待ってられる?」
「うん!祥ちゃんと話してる。」
予約の入っていた残り2人を診察し、カルテ整理をしていた。
「また見ているんですか?」
カルテ整理をする横で片付けをしていた看護士が、僕のカルテに目を付けた。
「まだまだ生きてもらわなきゃ困るんだ。いつか脳死は人体そのものの死亡判定なんていう判定はなくす。ダメになっても脳が生き返る時代がくるかもしれない。僕は研究を続けるし、諦めない。」
「でも、榎本さんは。」
「まだ生きてもらわなきゃ困るんだよ!」
祥吾のカルテを思い切り机に叩きつけた。
白衣をハンガーにかける手も震えが止まらない。
「で、でも今日は朗報も入ったことですし。ね?」
「ああ。そうだよね。毎日そばにいるのにまったく気が付かなかったよ。」
「仕方ないですよ。専門外ですから。」
「専門外って言ったって勉強はしている。」


