「もし相手があたしじゃなかったら?」
「どうだろう。ほっといたのかな?」
「あたしがこれから先も純にそばにいて欲しいって言ったら純はいてくれる?」
僕は強くさりちゃんを抱きしめた。
「もちろんだよ。さりちゃんをずっと想い続ける自信が僕にはあるよ。」
「あたしは純を想ったら不謹慎になるかな?」
「さりちゃんが思うように行動すればいいと思う。それなら祥吾は何も言わないよ。」
袖で涙を拭き、少し落ちた化粧で袖が汚れた。
「どんな時も純がそばにいてくれた。
小さい頃から純は一緒にいて当たり前の存在だと思ってた。
純が大好きでいつも後ろを振り返れば純がいたの。祥ちゃんがいなくて、純がそばにいて、改めて純の必要さを知った。
改めて純が大好きって知った。
一緒にいすぎてお互い大好きの意味をはき違えてるのかもしれない。
でも一緒にいてほしいって思う気持ちは誰にも負けない。
純を想う気持ちは一番よ。」
真っ直ぐ僕を見る大きな黒い瞳に嘘はなかった。
「僕も同じ事を思った事がある。
さりちゃんを想う気持ちは愛情なのか、同情なのか分からなくなって大好きの意味をはき違えてるんじゃないかって。
でもそんなのどうでもいいんだ。そこじゃない。
さりちゃんを想って守ってそばにいられればそれでいいんだ。」


