君想い【完】



中澤が?
と不審そうに声を上げた。

「さりなちゃんの彼女で、ゆかの幼なじみにあたる人が東龍にやられて植物人間状態なんです。さりなちゃんはその日からおかしくなりました。これが昔のさりなちゃんです。」


ゆかは手帳から写真を1枚だし、
それをあっこ先輩達の前に出した。


その写真にはさりちゃんと祥吾の姿があった。
笑顔で祥吾と腕を組むさりちゃんの姿だった。


「これ中澤?」

「中澤が笑ってる。」


何も知らない
何も考えてない
純粋に祥吾のことを想うさりちゃんの笑顔。


この笑顔をこの2人は知らない。


「さりちゃんは1人で何かしようとしているんです。でもその何かが分からなくて今調べています。だから今日あっこ先輩に聞きにきたんです。」

「なるほどね。私には今でも龍司の話入ってきたりするから、何か分かったら純くんに連絡するね。」


あっこ先輩の携帯から赤外線で番号とアドレスが送られてきた。

確認するために、アドレスを見るとあっこ先輩のメールアドレスにはまだ佐倉先輩の名前が入っていた。


「アドレス変えないんですか?」

「私、今でも龍司を愛してるの。気持ちは変わらないわ。」


僕を真っ直ぐ見て、笑顔を向ける。
僕に思いを伝えたときのゆかと同じ顔だ。