「あたし達はもう決まってるんでどーぞ♪ マネージャーはお酒ですよね?」

「や、実は俺あんまり酒強くないんだよね。だからやめておくよ」

「「えっ!?」」



私を含め、全員の目が点になった。

まさかお酒を飲まないなんて……緊急事態発生!

私が彼を送っていくっていう計画がパーになってしまう!!


動揺をひた隠しにしつつ、真琴ちゃんがもう一度問い掛ける。



「の、飲まないんですか? 一滴も!?」

「少しくらいなら平気だけど、酔って迷惑かけたくないしさ」

「迷惑なんてじゃんじゃんかけちゃってくださいよー。頼りになるチーフがいるんですから! ねっ?」



無茶ブリしてくるチャラ男だけど、ここはひとまず乗っておこうか。

……私だって、椎名さんと二人きりになりたい気持ちはもちろんあるから。



「そ、そうですよ! ちょっとお酒入った方が、気分も盛り上がるし」

「いや、そうは言ってもね……」

「そうそう。今日のために千鶴ちゃん車で来てくれてるから、帰りは心配いらないですよ。たしなむくらいいいじゃない?」



送迎のことも伝えながらさりげなく誘惑する園枝さん、さすが!

今すぐ彼女と握手したい衝動を堪え、腕を組んでしばし考える椎名さんを見つめる。