「だいたい女子ってのはそういう些細なことがキッカケで好きになっていくんです。
マネージャーに迫られても嫌じゃなかったんでしょう? ドキッとしてきゅーんとして、ときめいたでしょ!? もうすでにそこから恋は始まってるんです!!」



ビシィッ!と私にねぎの先っぽを向けて熱弁する真琴ちゃんに圧倒され、言葉を詰まらせた。

さ、さすが恋多き小娘……自信満々に言うから本当にそんな気がしてきてしまう。


簡単に考えを変えられてしまいそうになっていると、園枝さんがクスクスと笑いながら助け船を出してくれた。



「まぁ、まずはマネージャーのことを知っていかないとね。自分の気持ちに向き合うのは、それからでも遅くないわ」

「で、ですよね」

「んじゃ飲み会でもすっか! ちづとマネがお近づきになれるように、俺がセッティングしてやるよ」



園枝さんの言葉に少し気を落ち着けたのもつかの間。

調理台の掃除をしていた水野くんが意気揚々とそんなことを言い出すから、私はまたギュと眉根を寄せる。



「余計なことしなくていいから!」

「だってそうでもしなきゃ先に進まなさそうじゃん。どーせ何年もオトコいないんだから、恋愛の仕方も忘れちゃってんでしょ?」

「ゔ……」



さっきから年下のこの子達に黙らされちゃう私、情けない……!