「浮気だなんだって言ってたあの頃は、『千鶴さんの花嫁姿をバッチリ拝んでからあたしもそれに続きます!』とか言ってたくせに」

「そういえばそんなこと言ってたわねぇ」

「結局、真琴ちゃんが一番の勝ち組だったってことですかね」



懐かしむように穏やかに笑う園枝さんにつられ、とびきり綺麗な真琴ちゃんをデジカメに映しながら、私も笑った。



「でも、千鶴ちゃんと椎名さんも相変わらず仲良しなんだからいいじゃない」

「んーまぁ、そうなんですけどね」



水野くんと一緒に真琴ちゃんを祝福している、今日の礼服姿もキマっている最愛の彼を見て、えへへと照れ笑いする私。

幸斗さんと出逢って一年が経った今も、彼を愛する気持ちは変わらない。いや、限りなく大きくなっていると思う。

彼が私を想ってくれているのもちゃんと伝わってくるし、毎日幸せだ。


でも、人間欲がなくなることはない。

真琴ちゃんの花嫁姿を見て、また“結婚したい”という欲が強まってしまった。



「千鶴ちゃんだってもうすぐよ~! あの椎名さんが何も考えてないわけないでしょう」

「そうだと思うんだけど……」



昨日だって真琴ちゃんの結婚の話題が出ても、私にはそれらしいこと何も言わないし、私との将来を考えてくれているのかはわからない。それに。