息を整える私を見下ろし、手の甲で私を味わった口を拭いながら微笑む彼は、色気があり過ぎてもう一回天国へ逝ってしまいそうだ。


服をすべて脱ぎ、引き締まった彼の身体にもときめいているうちに、それは私の上に重ねられた。

熱い素肌がぴたりとくっつき、お互いを欲しがる欲求を露わにした視線が絡み合うと、再び心臓の鼓動が激しくなる。



「もう限界。いい?」

「はい……」



セカンドバージンという言葉があるくらいだから、多少の痛みは覚悟していた。

でも繋がってしまえば、その痛みすらも愛おしくて、至福の海で溺れるように喘ぐ。



「しぃ、なさん……っ」

「違うだろ? 千鶴」

「……幸斗、さん?」



初めて名前で呼び掛けると、彼は満足げに微笑み、私に深く口づけた。

そして、耳元で囁かれる「愛してる」の五文字が、媚薬みたいに作用して。

泣けるくらいの幸福感に満たされて、堅く指を絡ませながら私達はひとつに溶け合った。



こんなに幸せな気持ちは、あなたとじゃなきゃ得られない。

きっとこれからも、それは際限なく広がっていくんだろう。


ようやく掴んだこの恋を、人生最後の恋にしたい。

死ぬまで保ち続ける愛にしたい。

あなたもどうか、同じ想いでいてくれますように──。