「またやっちまった……」
「あはは。でも、申し訳ないけど爆笑でした」
翌日、歓迎会をした時と同じ創作料理のレストランで打ち上げをした後。
私は前回同様、不覚にも酔っ払ってしまった残念な彼に手を貸し、すでに覚えた彼のマンションに向かっていた。
だいぶ凹んではいるけど、とりあえず歩けてるしろれつも回ってるから大丈夫ね。
何故こんなことになったのかと言うと。
公認の恋人同士となった私達は、皆に根掘り葉掘り問い質され、結局勘違いの経緯を話してしまい。からかわれまくった後、チャラ男が『で、もうヤッちゃったの?』と、とんでもない質問をかましてきた。
そこで椎名さんが、食べていたチキンスティックの唐揚げを喉に詰まらせ。
『椎名さん、ほら水飲んで水!』
むせる椎名さんに園枝さんが慌ててお水のコップを差し出し、彼がゴクリと飲んだ瞬間に水野くんがまさかの一言。
『あ! 園枝さん、それ俺の焼酎だって!』
『えっ』
一瞬皆が動きを止めて椎名さんを見やると、彼は無駄に男らしく無言で頭を抱えているのだった。
その時のことを思い出して一人笑ってしまうと、彼は珍しくムスッとした顔でスタスタとマンションの玄関まで歩いていってしまう。
えっ、怒っちゃった!?



