園枝さん情報によると、九条さんは二十六歳にして企画部のチーフらしい。これからも出世が望まれている実力者だそうだ。
そんな彼女は専務と二人でランチしていたり、一緒にいるところをよく見るため、二人は付き合っているのでは……と噂されている。
天がニ物を与えたような、美男美女の専務と九条さんはお似合いだもんなぁ。
二人が並ぶとキラキラ眩しすぎて、私とは住む世界が違うな、なんて思ってしまう。ただ……
なんとなく九条さんを見やると目が合った。
口元にだけ笑みを浮かべ軽く会釈をした彼女に、私も同じような動作を返したのだけれど。
その直後には“スッ”と音がするくらい無表情に戻り、すぐに書類に目を落としていた。
う、うーん、なんだか事務的というか機械的というか……彼女が放つ空気はどこか冷たく感じてしまう。
ほとんど会話したことはないけど、気が強そうだし、高飛車なところがあるらしいし……
私はたぶん、苦手なタイプだと思う。
容姿も含めて完璧な人だから、自分に自信があるのかもしれないな。
「春井さん」
ふいに椎名さんに名前を呼ばれ、私もこの書類を渡さなければと思い出す。
「すみません。これ今月のアンケートですので、よろしくお願いします」
「うん、ありがとう。毎日美味しい食事を作ってくれて、厨房の皆さんには感謝してますよ」
そんな彼女は専務と二人でランチしていたり、一緒にいるところをよく見るため、二人は付き合っているのでは……と噂されている。
天がニ物を与えたような、美男美女の専務と九条さんはお似合いだもんなぁ。
二人が並ぶとキラキラ眩しすぎて、私とは住む世界が違うな、なんて思ってしまう。ただ……
なんとなく九条さんを見やると目が合った。
口元にだけ笑みを浮かべ軽く会釈をした彼女に、私も同じような動作を返したのだけれど。
その直後には“スッ”と音がするくらい無表情に戻り、すぐに書類に目を落としていた。
う、うーん、なんだか事務的というか機械的というか……彼女が放つ空気はどこか冷たく感じてしまう。
ほとんど会話したことはないけど、気が強そうだし、高飛車なところがあるらしいし……
私はたぶん、苦手なタイプだと思う。
容姿も含めて完璧な人だから、自分に自信があるのかもしれないな。
「春井さん」
ふいに椎名さんに名前を呼ばれ、私もこの書類を渡さなければと思い出す。
「すみません。これ今月のアンケートですので、よろしくお願いします」
「うん、ありがとう。毎日美味しい食事を作ってくれて、厨房の皆さんには感謝してますよ」