スルスの監査の前に一度顔を出したいと思っていたがそれは叶わず、結局出向けたのは監査が終わって一週間ほど経ってからだった。
久々に春井さんに会えると思うと、もちろん嬉しくもあるが緊張もする。
なにせこの間食事に行った時以来の再会なのだ、どんな顔をして会えばいいのか、何を話したらいいのかわからない。
複雑な心境でメルベイユのビルのエレベーターに乗り込もうとすると、腰にエプロンを巻いた初老の男性が、大きなケースを持ってやってきた。
この人はどう見ても魚屋だな。
「こんにちは。三階ですか?」
「おーそうそう! よくわかったな兄ちゃん」
「俺もスルスに用があるんで。一応社員なんですよ」
「そうかい、そりゃあ奇遇だ!」
威勢の良い魚屋のおじさんは、突然「あいたたたた」と腰を丸める。
「いやー腰が痛くて嫌んなっちまうぜ」
「あ、ケース俺が持ちましょうか」
「いいのかぃ? あんた人がいいねぇ。色男だし足なげぇし、羨ましいなーおい! がははは」
この人、おでんBarの由尾さんとキャラ被ってるぞ……と心の中でツッコミつつ、二人でスルスへ向かう。
ゴミ袋片手に迎えてくれた春井さんは相変わらず元気な様子で、ホッとすると同時に、不足気味だった愛しさがチャージされていくような感覚がした。
久々に春井さんに会えると思うと、もちろん嬉しくもあるが緊張もする。
なにせこの間食事に行った時以来の再会なのだ、どんな顔をして会えばいいのか、何を話したらいいのかわからない。
複雑な心境でメルベイユのビルのエレベーターに乗り込もうとすると、腰にエプロンを巻いた初老の男性が、大きなケースを持ってやってきた。
この人はどう見ても魚屋だな。
「こんにちは。三階ですか?」
「おーそうそう! よくわかったな兄ちゃん」
「俺もスルスに用があるんで。一応社員なんですよ」
「そうかい、そりゃあ奇遇だ!」
威勢の良い魚屋のおじさんは、突然「あいたたたた」と腰を丸める。
「いやー腰が痛くて嫌んなっちまうぜ」
「あ、ケース俺が持ちましょうか」
「いいのかぃ? あんた人がいいねぇ。色男だし足なげぇし、羨ましいなーおい! がははは」
この人、おでんBarの由尾さんとキャラ被ってるぞ……と心の中でツッコミつつ、二人でスルスへ向かう。
ゴミ袋片手に迎えてくれた春井さんは相変わらず元気な様子で、ホッとすると同時に、不足気味だった愛しさがチャージされていくような感覚がした。



