春井さんに対して抱く特別な感情。
曖昧だったそれが確かなものになったのは、スルスの皆で行った歓迎会の時だ。
まさか水と間違えて焼酎を飲んでしまうとは……というか、酒弱すぎだろ俺。
若干凹みつつ久々に酔っ払った俺は、ふわふわとした意識の中でも隣に座る彼女のことを気にかけていた。
そして、話の流れは恋愛の方へ向かい、彼女はいないと言うと水野くんがこんなことを言い始めた。
「いないんだ!? じゃあいい物件がありますよ、すぐそこに」
彼の視線の先にいるのは、なんだか動揺した様子の春井さん。
そういえば、俺がスルスに来た初日にも彼氏がいないようなことを言っていたっけ。
じゃあ好きな人はいるのだろうか?
興味が湧き尋ねると、「えぇ、まぁ……」と微妙な返事。さらにどんな人か聞くと。
「年上で、優しくて素敵な人ですよ」
と答えた。とても愛おしい人を想う瞳をして。
俺の頭には、その答えにぴたりと当てはまる人物が思い浮かぶ。
──男の俺でもイイ男だと思う、メルベイユの天羽専務。彼だと思うと納得だった。
俺より年下でありながら専務という重役に就き、仕事も出来て紳士的で、さらにはあの容姿だ。惚れない女がいるのかと思ってしまうほど。
春井さんも、彼のことが好きなのか……
そう思った瞬間、気付いてしまったのだ。
“彼女を渡したくない”と強く願っている自分に。
曖昧だったそれが確かなものになったのは、スルスの皆で行った歓迎会の時だ。
まさか水と間違えて焼酎を飲んでしまうとは……というか、酒弱すぎだろ俺。
若干凹みつつ久々に酔っ払った俺は、ふわふわとした意識の中でも隣に座る彼女のことを気にかけていた。
そして、話の流れは恋愛の方へ向かい、彼女はいないと言うと水野くんがこんなことを言い始めた。
「いないんだ!? じゃあいい物件がありますよ、すぐそこに」
彼の視線の先にいるのは、なんだか動揺した様子の春井さん。
そういえば、俺がスルスに来た初日にも彼氏がいないようなことを言っていたっけ。
じゃあ好きな人はいるのだろうか?
興味が湧き尋ねると、「えぇ、まぁ……」と微妙な返事。さらにどんな人か聞くと。
「年上で、優しくて素敵な人ですよ」
と答えた。とても愛おしい人を想う瞳をして。
俺の頭には、その答えにぴたりと当てはまる人物が思い浮かぶ。
──男の俺でもイイ男だと思う、メルベイユの天羽専務。彼だと思うと納得だった。
俺より年下でありながら専務という重役に就き、仕事も出来て紳士的で、さらにはあの容姿だ。惚れない女がいるのかと思ってしまうほど。
春井さんも、彼のことが好きなのか……
そう思った瞬間、気付いてしまったのだ。
“彼女を渡したくない”と強く願っている自分に。



